髪のこと。髪の構造。傷まないようにするための髪の基本情報

髪のこと。髪の構造。傷まないようにするための髪の基本情報

髪は毛穴(毛根)に埋まっている毛の根元にある毛乳頭(毛球)で作られます。毛乳頭には血管が繋がっており、血液の中にある酸素と栄養分を元に作られます。髪にとって頭皮の血行が大事とはこのことを指します。血行が悪いとそもそも髪自体が作られませんから。

 

 

髪の基本情報

  • 80%~90%タンパク質(ケラチン)でできている。
  • 12%前後の水分と残りは、メラニン色素・脂質・微量元素。
  • 約10万本あります。
  • 太さは普通の毛で0.08mm~0.09mmです。細い毛で0.05mm~0.07mm、太い毛髪で0.10~0.15mm
  • 一つの毛穴から3本の髪の毛が生え、そのうちの1本が太く育ちます。
  • 抜け毛は一日で50本~100本あります。
  • 一年間で10cm以上伸びます。
  • 3年から6年で生え変わります。6年以上伸びることもあります。

 

 

髪の構造。CMCと18-MEA

髪は死んだ細胞と言われます。肌の角質や爪と同じような生きていない細胞が集まったものです。髪は生きていないので、自己回復力はありません。髪に傷みを与えてしまったら、二度と治ることはありません。ダメージは日々蓄積され続けるので毛先ほど傷むのです。大ダメージとなるホームヘアカラーを行うと後は枝毛、切れ毛に向かって一直線です。後戻りはできません。

 

 

髪は3つの構造から成り立ってます。

  • キューティクル・・・外側に厚さ1/1000mmの固いタンパク質の膜。無色透明。3層~10層で重なりあってます。筍の皮やとうもろこしの皮のように髪の内部を外側から巻いて保護している。頭頂部から下へ向けて瓦のよう感じで重なっており、見える部分は全体の1/4~1/5程度しか見えません。表面には極僅かな油分(18-MEA)があり、摩擦の現象や艶を左右し綺麗なお姉さんの元。
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  • コルテックス・・・キューティクルの内側。髪の80%~90%を占めるタンパク質の繊維の束。棒状の繊維が縦状に並んで束になっているため、髪を引っ張っても縦方向には強い構造になってます。ここに含まれるメラニン色素の多さで白色~茶色~栗色~黒色に見えます。
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  • メデュラ・・・コルテックスの更に内側、中心部分。細い毛にはありません。普通の毛でも途中で途切れていることがあります。やわらかいタンパク質でできているが、空洞とも言われていることも多い。頭皮の新しい髪には液状の成分で満たされてますが、毛先に向かって液状の成分がなくなり空洞になります。加齢やダメージにより空洞が大きくなり、光の反射によって髪が白っぽく見えたりします。

 

 

 

CMCと18-MEA

キューティクルとキューティクルの間やコルテックスの隙間には、CMC(細胞膜複合体)が存在します。CMCは非常に重要な役割を担っております。

  • キューティクル同士の接着
  • 髪の成分が流れ出るのを防ぐ
  • 外部からの緩衝材
  • 薬品などから守る
  • 水分の保持
  • 通り道(水分、成分、薬品など)

 

CMCはタンパク質層と脂質成分で成り立っており割合は約半分ぐらいつづです。脂質成分は、18-MEA・パルミチン酸・オレイン酸・セラミド・コレステロールが主要成分で、18-MEAが約半分ぐらいになります。

 

 

18-MEA(18-メチルエイコサン酸/脂肪酸)
  • 髪の表面を疎水化(水をはじく)します。
  • 摩擦を軽減するために潤滑膜を張ります。
  • くし通りの良し悪しに影響します。
  • ヘアカラーやパーマのアルカリ薬品によってほとんど無くなってしまいます。
  • 無くなってしまうと親水化(水をなじむ)してしまって摩擦が大きくなる。

 

 

 

髪が傷むとは、構造から見ると
  • キューティクルが剥がれる、焼ける、穴が開く、溶けるなどで艶もなくなり、手触りやも悪い全てはここから始まる。
  • 内部のタンパク質の繊維が切れる、分解する、溶けるなどで髪が細くなる、パーマやスタイリングが決まらない、カラーが入りづらい。
  • 中心部分の空洞が広がる。スカスカ感満載。ストロー状態で折れ折れ。髪が白っぽく見えたりする。

 

 

この傷んだ髪をメーカーは色々な謳い文句で、髪を修復させるトリートメントなどを宣伝販売します。どんなに小難しいカタカナや英語の成分を配合しても全て張りぼて。やっていることは3つだけです。

 

  • 全てを包み隠してしまう強いコーティング。見せかけの艶、ハリ、コシも持たせる膜。
  • くし通りや手触りをよくする油を定着させる。
  • 空洞に色んな薬品を入れたがる。ハリ、コシが生まれたと勘違いさせられる。

 

 

これらをしてもその時は満足できるかもしれませんが、髪のダメージが治っているわけではありません。臭いものに全てフタをしてしまっている状態なので、髪の内部では余計にダメージは進んでおります。薬品が髪から取れた時に確認してみると、傷んだ髪が死んでいることも分かるのではないでしょうか。時間とお金を掛けて髪の内部に栄養を送ろうが、空洞に何を充填しようが、修復はしません。全て見せかけのことです。

 

 

メラニン色素の種類

髪の毛の内側のメデュラの部分に複数の粒、メラニン色素が点在します。その多さによって髪の色が変わり、メラニン色素の種類によっても変わります。

 

  • メラニン色素が多いと黒髪になります。
  • メラニン色素が少ないと金髪になります。
  • 黒髪と金髪の間に量は栗毛色になります。
  • メラニン色素には種類があり、黒褐色系のユーメラニン、黄赤色系のフェオメラニン。
  • 赤毛は黄赤色系のフェオメラニンの量が多いのです。
  • どのメラニンもほぼ無いのが白髪です。

 

 

酸性、アルカリ性、pH
pH(ペーハー)は0から14までの数字で表されます。中性は、pH7で基準となります。これを基準にして、pHが0~7を酸性、7~14をアルカリ性と呼びます。水がpH7です。

 

髪は、pH4、5、6の弱酸性が好ましいです。ヘアマニキュア、リンス、トリートメントの時は、pH3、4酸性に振れます。

 

ヘアカラー、プリーチ、パーマの時は、ph9、10、11のアルカリ性に振れます。ヘアカラーの一部とブリーチがph11になりダメージが強いです。全て酸性が良いわけではなく、0に近い強酸性、14に近い強アルカリ性のどちらも好ましくありません。

 

 

形づくり、スタイリング、パーマなどの髪の性質
形づくり、スタイリング、パーマなどは髪の性質を利用して行われます。髪は水に濡れると成分の結合が切れて形を変えられる部分があり水素結合と言います。水素結合は髪が濡れると結合が分解され、ドライヤーでブローしながら乾かしていると同時に結合されることを指します。もう一つはパーマまどの薬品によって変えられる部分の科学的結合があります。

 

 

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