光白髪染めで緑色に!脱色や補色しても直らない原因と成分
 

光白髪染めで緑色に!脱色や補色しても直らない原因と成分

僭越ながら、化学の授業をさせて頂きます。感光性白髪染めで何かあった場合、髪やカラーリングの知識だけでは対応できません。多少、化学の知識が必要になってきます。特に銀微粒子、硫化、カラーコピーや複写機の現像転写技術などの知識があればより正確な判断ができると思います。

 

お伝えできているのは彫金(シルバーアクセサリーなど)を行っていたので、その際に金属の特性、金属変化、化学変化について得た知識を元にしているからです。大まかな流れはあっていると思いますが、専門的な識者ではありませんので、化学変化や細かいところに誤りがあったとしてもご了承下さい。

 

 

光で染める白髪染めは、「自宅で、簡単に、髪を痛めないで、アレルギーの方でも使える、白髪染め」を特徴にあげており、現在人気のヘアマニキュアタイプの白髪染めと同じ特徴です。しかし、特徴は同じでも成分や髪の染まり方は全く別のタイプの白髪染めになります。
光白髪染めの詳しい特徴などは、こちらでご確認できます。
光で染まる白髪染めは染め直しに注意!っていうか使うな!

 

 

光で染める白髪染めの代表的な商品としてサンカラーマックスがあげられます。光で白髪を染めることができるということを拡大したのもサンカラーマックスでした。この他にグローリン サンクロス、マジカルアクアヘアクリーム、豊染花、レフィーネ・ソレイユなどがあります。(豊染花、レフィーネ・ソレイユは現在販売終了していると思われます。)

 

 

 

光で染まる白髪染めの髪が染まる仕組み。光還元作用と銀微粒子

通常のヘアマニキュアですと着色料で髪を染めていきますが、光で染まる白髪染めは「硫酸銀」を化学変化させて染まったように見せます。銀の成分では硫酸銀の他にも、硫黄銀、銀塩などを使っていたり表記している商品もあります。
光で染める白髪染め各商品の成分は、こちらで確認できます。
光白髪染め成分一覧表。光で染めるサンカラーマックス成分

 

 

 

髪が染まる仕組み(感光性染毛料、感光性白髪染め、光白髪染め)

  • 容器の中で成分の硫酸銀が、銀イオンの状態をクエン酸の効果もあり安定して保っています。
  • クリーム(染料)を髪に塗り、その部分を光にあてる。
  • 硫酸銀が光にあたると分解(光還元反応)して、金属の銀(銀微粒子)が取り出されます(析出)。
  • 銀に戻す還元剤としてクエン酸を用います。クエン酸以外の成分を使っている商品もあります。
  • この時に銀イオンの状態の、全ての硫酸銀が金属の銀になるわけではなく、一部だけが戻り、後は銀イオンのままの硫酸銀が残ります。
  • 硫酸銀は、光で分解され銀ができると同時に、銀が黒く変色していきます。
  • 成分として硫黄が配合されている商品は、銀が黒く変色(硫化)する作用も利用しています。
  • 黒くなった金属の銀が髪の表面に、+-の電荷の引き合う作用(静電的相互作用など)でしっかり吸着します。
  • 金属の銀は髪の内部には浸透しません。
  • 白髪が染まったように見えます。

 

光で染まる白髪染めで注意しないといけないことは、染めた後にヘアカラーをすると髪が緑色に変色してしまうことです。髪が緑色になってしまったら、私達では元に戻すことはまず不可能です。

 

 

 

光で染める白髪染めで髪が緑色になる原因。緑色になる仕組み

メーカーで聞いても正確な対処方法はありませんので、あくまでも参考程度でお願い致します。人それぞれ個人差や環境など色々な原因の要素がありますので、絶対的な原因とは言いませんがおおよその判断材量にはなると思います。

 

緑色になってしまう原因は、色々なところでヘアカラーやパーマでなったとありますが、基本的にはヘアカラーの場合に起こる事象です。もちろん人それぞれ個人差はあり、稀にパーマをして青っぽかったり紫掛かった色に変色した人もいるぐらいですので、一概に決めつけることはできませんがほぼヘアカラーの場合と考えてもいいでしょう。

 

髪が緑色に変色してしまうのは、銀イオンが酸化染毛剤に反応するためです。緑色といっても鮮明な綺麗な緑色ではなく、黄色掛かった緑~暗い緑色です。白髪だけでなく黒髪まで緑色になってしまいます。

 

 

 

髪が緑色になる仕組み

 

上で記した髪が染まる仕組みを前提とします。

  • 銀に還元されなかった銀イオンは不要な存在です。
  • 不要な銀イオンは、髪に吸着している銀と強く結合しています。
  • 銀イオンは、水に溶ける水溶性です。
  • そのためシャンプーしたらそのまま洗い流されるのと、溶けて流されます。
  • しかし、緑色に変色してしまった人の場合、不要な銀イオンはほとんど流されることなく、髪に吸着している銀と結合した状態のまま残っています。
  • 銀に結合されている銀イオンの多さは個人差があります。
  • 銀イオンが残った状態でヘアカラーを施術します。
  • 銀イオンにヘアカラーの成分、酸化染毛剤(パラフェニレンジアミン誘導体、レゾルシン、ピロガロールなど)が反応して緑色になります。

 

金属の銀ではなく、銀イオンがパラフェニレンジアミンなどの酸化染毛剤と相互作用などで結合するので、パーマ液ではなくヘアカラーで変色してしまいます。アルカリ剤(アンモニア)ではならないと思われますので、パーマで緑色になる事象は別の因果関係があるのかもしれません。また、ヘアカラーに限らず酸化染毛剤を使っている毛染めやケミカルヘナなどにも気をつけましょう。

 

 

色が落ちても、そこに銀はいる!使用履歴は美容師さんに必ず伝える

光白髪染めでやっかいなのが、色落ちしても銀が髪に残ってしまっているのです。黒くなった銀はシャンプーで徐々に落ちていきます。そのままリタッチしないでおくと、色は薄くなりやがてほぼ色落ちます。実際は、色が薄くなっても、色がなくなってもそれは見た目であり、少なからず色は残っています。

 

色が残っているということは、銀が残っていることなので周りに結合している銀イオンも存在します。銀や銀イオンの残り具合いは個人差がありますので、一概にどのくらいの期間残るのか分かりませんが少なくとも数ヶ月は残ります。美容室でヘアカラーを行う場合は、必ず使用履歴は伝えて下さい。光白髪染めを使うのをやめても、一年ぐらいは使ったことは覚えておいた方がいいと思います。


緑色になった髪を元の色には戻せません。ブリーチや補色でも無理

光で染める白髪染めの後、ヘアカラーを行い緑色になった髪に対してブリーチ、脱染、補色しても直りません。ブリーチや脱染、補色は着色剤(色素、分子)に対して反応させるものです。髪が緑色になってしまった原因は「銀」です。銀(金属)が変色してしまっているので、これをいくらブリーチや脱染しようが変色させることはできません。

 

補色で赤色を入れれば通常はニュートラルブラウンになるのですが、金属が変化しているのでいくら入れても緑色は消えません。少し色に違いは出ても基本的に、髪の内部から赤色を発色させても髪の表面で緑色が発色してしまっているので、補色の効果をそれほど得られません。

 

美容師さんになんとかやってもらって、我慢できる範囲に近づけることは可能かもしれませんが、元の髪色に戻すのはまず無理だと思っておきましょう。無理くりやれば多少の効果はあると思いますが、髪の痛みと相談しないといけません。

 

 

 

緑色を直す??方法。銀をまた化学変化させる

本当の意味での変色した髪を元に戻すこととは、色を変化させるのでなく銀そのものを取り除くことです。しかし、正確な取り除く方法が確立されていません。各メーカーからの疑問に対する、対処できるだけの解答はないので、対処方法は自分たちで探すしかありません。

 

 

緑色の髪を濃い茶色にする方法「硫酸銀を使っている光白髪染めの場合」

薬品を使うので使用する場合は、自己責任にて取り扱って下さい。一切の責任を負いません。

 

「硫酸銀」を使っている光白髪染めでしたら、化学変化を利用すれば緑色を茶色~ダークブラウン~黒っぽい茶色のような色合いにできます。髪に吸着した金属銀と銀イオンに作用します。

 

銀に硫黄を塗ると茶色~黒っぽい茶色になります。これは銀が硫黄と反応して硫化銀になり、銀の表面に色の着いた膜を作ります。この膜の色は硫黄の濃さ、硫黄の温度、銀と硫黄の接触時間でだんだん濃くなっていきます。濃くなっても黒っぽい色や黒色にはなりません。

 

どのくらいの色になるのかは、髪に吸着している銀の残量、吸着している範囲で色合いは変わってきますのでやってみないと分かりません。使い方は原液ならお湯で適当に薄めて頭にポンポンつけても、お好みで大丈夫です。硫黄が触れるとすぐに反応し始めますので見ながらできます。

 

硫黄は温泉でもあるように一般には肌や髪に触れても大丈夫ですが、イメージと違った髪色になっても、髪質が変化しても一切の責任を負いません。自己責任にてお願い致します。

 

 

サンカラーマックスでは、連絡すれば無料でヘアローションSという小袋を送ってくれます。ヘアローションSをシャンプーと混ぜて使うと黒茶色になるというものです。これもたぶん硫黄を使った硫化銀にする方法と同じだと思います。

 

硫黄の原液では、一番良かった六一〇ハップ(ムトウハップ)という入浴剤がありましたが、現在では生産終了となってしまいました。他にも硫黄入りに商品が色々ありますが、硫黄の入手、使用、取扱は自己責任にてお願いします。

 

 

 

緑色にならない方法。硫化を利用すればヘアカラーしても変色しない

薬品を使うので使用する場合は、自己責任にて取り扱って下さい。一切の責任を負いません。

 

緑色にならないようにする方法は、髪に残っている銀イオンを酸化染毛剤とお互いに引き合わせなければいいので、銀のイオン化を解いてあげればいいのです。緑色を直すのと同じく硫化銀にしてあげれば酸化染毛剤と引き合わなくなります。

 

しかしこの方法は、そもそも光で染める白髪染めを使っていたことを忘れていたか、ヘアカラーをしてはいけないことを知らないから緑色になってしまったわけで、変色させない方法を知っていても防止策にはならないかもしれません。

 

まして硫黄を付けるタイミングは髪が緑色になる前の状態です。ということは髪に銀が残っているのか分からない状態でもあります。このため銀が残っているのか判断するには、一部分でもヘアカラーをして緑色になることを確認しないといけないという、何とも言えない行為を行わなければいけません。

 

 

この後にヘアカラーしても思いどおりの色にするのは難しい
銀イオンを硫化銀にしても、髪の表面に茶色になった硫化銀は存在するのですから、この後にヘアカラーをしても思い通りの色にするのは難しいです。そのため、この方法を知っていても実際に行うことはないのかもしれません。

 

 

モノエタノールアミン、イソプロパノールアミン配合のシャンプー
シャンプーの成分などに含まれるモノエタノールアミン、イソプロパノールアミンなどのアルカノールアミン類は、銀イオンを溶かし洗い流せるともあります。しかし、このような成分が配合されているシャンプーは結構ありますし、今までもシャンプーで洗い続けていると思いますので、そこまで期待値はないのかもしれません。

 

一連の方法でイメージと違った髪色になっても、髪質が変化しても一切の責任を負いません。自己責任にてお願い致します。

 

 

 

髪に残った銀をとる方法。多少落ちていればいいなあという望み

薬品を使うので使用する場合は、自己責任にて取り扱って下さい。一切の責任を負いません。

 

髪から銀を取り除くのに使うのはヨウ素を使います。しかし、基本的に銀と髪がしっかり結合してしまっているので、全部とれるわけではありません。取れればいいかなあ程度の望みだと思って下さい。

 

ヨウ素と銀は結合しやすい性質があります。例えば、ある場所やある環境で銀を取り除く必要がある場合、ヨウ素を使い吸着装置や除去装置などを使って取り除くことをします。

 

光で染まる白髪染めの場合でも、クリームが手につき発色してしまったら石鹸では落ちづらいです。これを落とす場合、手にヨウ素を塗って少し待ってからよく洗い流すと取れます。これは銀を溶かしたりしているわけではなく、結合させて洗い流すイメージだと思って下さい。

 

 

髪に使う時は、ヨウ素を付けたものを髪にポンポンしてから少し待って洗い流します。においがありますがあまり薄めないで使います。髪の色をとるのではなく、色のついた銀をとって緑色を薄めていくイメージです。

 

緑色になった髪に塗ると色が直るともありますが、ヨウ素で銀を黒っぽく変色させることはできません。少し変色して色が変わることもありますが、元々の濃い赤紫っぽい色が付いたと思っておいた方がいいでしょう。ヨウ化銀にもでなるのなら分かりますが、単純にはならないので基本的には無理だと思っておきましょう。

 

例えば、うがい薬(ヨウ素)で、まれに銀歯に少し色が付くことがあります。これも私達では少し変色したのか、色が付いたのか判断は難しいのと同じです。ヨウ素は一般には安全だとされていますが、使用方法が例外になると思いますので、イメージと違った髪色になっても、髪質が変化しても一切の責任を負いません。自己責任にてお願い致します。

 

 

 

髪や染料の専門書でも詳細は出ていません。別の分野になります。
どうしても絶対落としたい、正確な情報が絶対欲しいのでしたら、銀微粒子、イオン、薬品、着色剤、転写、現像などを専門とする識者やカラーコピーや複合機を製造している技術者が一番分かると思います。髪や染料の専門書でも詳細は出ていませんので、そのような人と髪やカラーリング理論が分かる美容師さんに話してもらうしかありません。美容室で伝え忘れで変色しても、自分でやって変色しても、美容師さんに直して、直しての一点張りでは無理ですし可哀想だと思います。

 

 

ほとんどの人が、簡単だし、楽という言葉でこの白髪染めを選んだと思います。しかし、実際は手間がすごく掛かりかなり大変です。これならば数倍、簡単で良く染まるLPLPヘアカラートリートメントの方が絶対いいです。断言できます。

 

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光で染まる白髪染めは染め直しに注意!っていうか使うな!

 

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